結論から言えば、技能実習から特定技能への切り替えは「在留資格変更許可申請」という手続きで行います。技能実習2号を良好に修了し、同じ分野に移行する場合は技能試験・日本語試験ともに免除されるため、書類さえ揃えれば比較的スムーズに移行できます。
ただし、申請書類は申請人(外国人本人)と受入機関(企業)の両方で多数あり、審査期間も目安として1〜3ヶ月程度かかります。在留期限が迫ってから慌てて準備を始めると間に合わないリスクがあるため、技能実習の在留期限の3〜4ヶ月前には準備を開始するのが安全です。
在留資格変更の書類準備や申請手続きに不安がある方は、グループ内の行政書士法人Treeが申請を代行します。まずはお気軽にご相談ください。
技能実習から特定技能への移行パターン
技能実習から特定技能1号へ移行するルートは、大きく分けて2つのパターンがあります。
| パターン | 条件 | 技能試験 | 日本語試験 |
|---|---|---|---|
| 同一分野への移行 | 技能実習2号を良好に修了+移行先の業務に関連性あり | 免除 | 免除 |
| 異なる分野への移行 | 技能実習2号を良好に修了+移行先の分野が異なる | 合格が必要 | 免除 |
いずれのパターンでも、技能実習2号を良好に修了していることが前提です。「良好に修了」とは、技能実習計画に従って2年10ヶ月以上の実習を修了したうえで、技能検定3級(または技能実習評価試験・専門級)の実技試験に合格していること、または実習実施者等が作成した評価調書により良好に修了したと認められることを指します。
なお、技能実習3号(最大5年)を実施中の方も、在留資格変更により特定技能1号へ移行可能です。2号修了の実績があれば、同一分野への移行で試験免除となる点は同じです。
試験免除になる条件
試験免除の仕組みをもう少し掘り下げます。免除判定のポイントは「技能実習の職種・作業」と「特定技能の業務区分」の関連性です。
技能試験・日本語試験ともに免除されるケース
以下の2つを両方満たす場合、技能評価試験と日本語試験の両方が免除されます。
- 技能実習2号を良好に修了している(評価調書で証明)
- 技能実習の職種・作業内容と、移行先の特定技能の業務区分に関連性がある(出入国在留管理庁が対応表を公表)
たとえば、技能実習の「機械加工」で2号を修了した方が、特定技能「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の「機械金属加工」区分に移行する場合が典型的な免除パターンです。
日本語試験のみ免除されるケース
技能実習2号を良好に修了しているものの、移行先の分野に関連性がない場合は、日本語試験は免除されますが、移行先分野の技能評価試験には合格が必要です。
たとえば、食品製造の技能実習2号を修了した方が「宿泊」分野の特定技能に移行する場合、日本語試験(JLPT N4相当またはJFT-Basic)は不要ですが、宿泊分野の技能評価試験を受験する必要があります。
試験が両方必要なケース
技能実習を経験していない方、または技能実習1号のみで修了した方は、技能評価試験と日本語試験(JLPT N4以上またはJFT-Basic)の両方に合格する必要があります。
試験免除の対象かどうか判断に迷ったら
技能実習の職種・作業と特定技能の業務区分の対応関係は複雑です。グループ内の行政書士法人Treeが免除要件の確認から在留資格変更申請の代行まで対応します。在留資格変更申請は50,000円(税抜)〜で承ります。
特定技能の受入れについて相談する(無料)在留資格変更の手続きステップ
技能実習から特定技能1号への在留資格変更は、以下の流れで進めます。
Step 1: 試験免除要件の確認
技能実習2号の良好修了の有無と、移行先分野との関連性を確認します。免除に該当しない場合は、先に特定技能評価試験・日本語試験を受験・合格しておく必要があります。
Step 2: 受入機関との雇用契約の締結
特定技能外国人として就労する企業と特定技能雇用契約を締結します。報酬額が同等の業務に従事する日本人と同等以上であること、所定労働時間が日本人と同等であることなど、入管法令に定められた基準を満たす内容にしなければなりません。
Step 3: 支援計画の策定
受入機関自身または委託先の登録支援機関が、義務的支援10項目を含む「1号特定技能外国人支援計画」を策定します。生活オリエンテーション、住居確保の支援、日本語学習の機会提供などが含まれます。
Step 4: 必要書類の準備
申請人(外国人)と受入機関(企業)の双方の書類を揃えます。詳細は次のセクションで一覧にまとめています。
Step 5: 地方出入国在留管理局への申請
受入機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理局(またはその出張所)に在留資格変更許可申請を提出します。本人が窓口に出向くほか、行政書士等の申請取次者による代理申請、オンライン申請(在留申請オンラインシステム)も利用できます。
Step 6: 審査・許可(新しい在留カードの受領)
審査を経て許可されると、新しい在留カードが交付されます。許可時に手数料として収入印紙を納付します(窓口申請: 6,000円 / オンライン申請: 5,500円)。この手数料は外国人本人の負担です。
審査期間は申請内容や提出先の管轄局の混雑状況により異なりますが、目安として1〜3ヶ月程度です。
必要書類一覧
在留資格変更許可申請の必要書類は、申請人に関する書類と受入機関に関する書類に大別されます。分野ごとに追加書類がある場合もあるため、申請前に出入国在留管理庁の特定技能ページで最新の提出書類一覧を確認してください。
申請人(外国人本人)に関する主な書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 在留資格変更許可申請書 | 所定の様式(特定技能用) |
| 写真(縦4cm×横3cm) | 申請前3ヶ月以内に撮影 |
| パスポートおよび在留カード | 提示 |
| 技能実習2号の評価調書 | 良好修了の証明(試験免除に必要) |
| 特定技能評価試験の合格証明書 | 試験免除に該当しない場合 |
| 日本語能力試験の合格証明書 | 試験免除に該当しない場合(N4以上 or JFT-Basic) |
| 健康診断個人票 | 所定の様式 |
受入機関(企業)に関する主な書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 特定技能雇用契約書の写し | 報酬・労働時間等の基準を満たすこと |
| 雇用条件書の写し | 所定の様式 |
| 1号特定技能外国人支援計画書 | 登録支援機関に委託する場合はその委託契約書も |
| 登記事項証明書 | 法人の場合 |
| 決算書類(直近2期分) | 事業の継続性を証明 |
| 労働保険・社会保険の加入を証明する書類 | 保険料の納付状況を含む |
| 納税証明書 | 法人税・消費税等 |
| 特定技能所属機関概要書 | 所定の様式 |
上記は代表的な書類であり、受入機関の規模(上場企業・中小企業等のカテゴリ区分)や分野によって、省略できる書類や追加で求められる書類があります。建設分野では国土交通大臣の「建設特定技能受入計画」の認定が別途必要になるなど、分野固有の書類も存在します。
申請のタイミングと注意点
在留期限の3〜4ヶ月前から準備を開始する
在留資格変更許可申請は、現在の在留期限が近づいてから提出するのが一般的ですが、書類の準備には相応の時間がかかります。雇用契約の締結・支援計画の策定・各種証明書類の取得を含めると、在留期限の3〜4ヶ月前には着手しておくのが現実的です。
特例期間(在留期限後も滞在できる制度)
在留期限の満了日までに変更許可申請が受理されていれば、審査結果が出るまでの間(在留期限から最長2ヶ月)は、従前の在留資格のまま日本に滞在できます。これを「特例期間」と呼びます。ただし、特例期間中の就労可否は従前の在留資格の活動内容に依存するため、個別の確認が必要です。
「特定活動」への一時変更(移行準備のための特例措置)
技能実習の在留期限までに特定技能への変更申請に必要な書類が揃わない場合、一定の要件を満たせば、「特定活動(6月・就労可)」への在留資格変更が認められる場合があります(2024年1月9日以降の申請から在留期間が4ヶ月から6ヶ月に延長)。
ただし、この在留資格での在留期間は特定技能1号の通算在留期間(上限5年)に算入されます。あくまで準備が間に合わない場合の特例措置であり、計画的に準備を進めることが重要です。
2027年4月の育成就労制度にも注意
2027年4月1日に育成就労制度が施行される予定です。これは技能実習制度を発展的に解消し、特定技能への移行を前提とした新たな在留資格「育成就労」を創設するものです。施行後3年間は移行期間として技能実習制度と併存しますが、将来的に技能実習から特定技能への移行ルートは育成就労制度に統合されていきます。現在技能実習生を受け入れている企業は、今後の制度移行も視野に入れて準備を進めてください。
よくある質問
Q. 技能実習から特定技能への切り替えにかかる期間は?
A. 在留資格変更許可申請の審査期間は目安として1〜3ヶ月程度です。書類の準備期間を含めると、在留期限の3〜4ヶ月前から準備を開始するのが安全です。申請内容や管轄局の混雑状況によって変動するため、余裕を持ったスケジュールを組んでください。
Q. 技能実習2号を修了していれば試験は必ず免除されますか?
A. 「良好に修了」かつ「移行先の業務と関連性がある」場合に限り、技能評価試験・日本語試験の両方が免除されます。関連性がない分野に移行する場合は、日本語試験のみ免除され、技能評価試験の合格が必要です。
Q. 在留資格変更の申請中に在留期限が切れたら?
A. 在留期限の満了日までに申請が受理されていれば、審査結果が出るまで最長2ヶ月間は従前の在留資格で滞在できます(特例期間)。ただし特例期間中の就労可否は個別の状況によるため、事前に確認が必要です。
Q. 在留資格変更の手数料はいくら?
A. 2025年4月の改定後、窓口申請で6,000円、オンライン申請で5,500円です(収入印紙で納付)。外国人本人が負担します。
Q. 技能実習3号から特定技能に切り替えられますか?
A. 可能です。技能実習3号の方も在留資格変更により特定技能1号へ移行できます。技能実習2号を良好に修了していれば、同一分野への移行で試験免除の要件も満たします。
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在留資格変更について相談する(無料)※ 本記事の内容は2026年3月時点の入管法令に基づきます。制度・手数料は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。