「特定技能で外国人を採用したいが、トータルでいくらかかるのかわからない」——こうした声は、外国人採用を検討する企業から最も多く寄せられる質問のひとつです。
特定技能制度を活用した外国人採用には、人材紹介手数料、ビザ申請費用、登録支援機関への委託料、渡航費用など複数の費用項目が発生します。これらの費用は依頼先や採用ルートによって大きく異なるため、事前に費用の全体像を把握しておくことが、コスト管理の第一歩です。
この記事では、以下のポイントを項目別に解説します。
- 特定技能外国人の採用にかかる費用の全体像と各項目の相場
- 人材紹介手数料・ビザ申請・登録支援機関の費用比較
- 海外採用・国内採用・技能実習移行の3パターン別コストシミュレーション
- 採用コストを抑える5つの具体的な方法
結論として、初年度の企業負担コストは海外新規採用で約51〜108万円、国内採用で約43〜90万円が目安です。海外と国内の差は主に渡航費のみで、紹介手数料自体は変わりません。依頼先の選び方次第で数十万円単位のコスト削減が可能です。
グループ内に入管業務専門の行政書士法人と登録支援機関を持ち、ワンストップで対応するTreeGlobalPartnersが、実際の費用データに基づいて徹底解説します。
特定技能の採用費用について個別に見積もりを取りたい方は、無料相談フォームからお気軽にお問い合わせください。
特定技能外国人の採用にかかる費用の全体像
特定技能外国人を採用する際の費用は、大きく分けて6つのカテゴリに分類できます。まずは全体像を把握しましょう。
| 費用カテゴリ | 主な内訳 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 紹介会社への報酬 | 10〜20万円 |
| ビザ申請費用 | 政府手数料+行政書士報酬 | 10〜20万円 |
| 登録支援機関の委託料 | 初期費用+月額委託料 | 初期8〜13万円+月額2〜3万円 |
| 渡航・来日費用 | 航空券、健康診断、試験受験料 | 7〜15万円 |
| 入社後費用 | 社会保険、研修等 | 月額継続(社会保険は日本人と同じ) |
| その他 | 翻訳費用、生活オリエンテーション等 | 5〜10万円 |
上記のうち、人材紹介手数料と登録支援機関の委託料は依頼先によって金額差が大きく、コスト削減の余地が最も大きい項目です。以下のセクションで、それぞれの費用を詳しく解説します。
人材紹介手数料の相場
特定技能外国人の採用において、人材紹介手数料は紹介会社(有料職業紹介事業者)に支払う報酬です。
紹介手数料の相場
特定技能外国人の人材紹介手数料は、1人あたり10〜20万円(固定報酬型)が相場です。海外採用・国内採用を問わず、紹介手数料に差はありません。
なお、年収の20〜30%を報酬とする成功報酬型は、ITエンジニアや経営管理など高度人材の紹介で用いられる料金体系であり、特定技能の採用では一般的ではありません。
技能実習との違い:送り出し機関は原則不要
技能実習制度では現地の送り出し機関を通じた採用が必須であり、企業側にも高額な費用が発生していました。一方、特定技能では送り出し機関を介さずに採用できるため、紹介手数料以外の仲介コストは基本的にかかりません。
つまり、海外から呼び寄せる場合と国内在住者を採用する場合のコスト差は、主に渡航費(航空券代)のみです。紹介手数料自体は変わりません。住居費用は本人負担が一般的です。
ビザ申請にかかる費用
特定技能1号・2号のビザ(在留資格)申請にかかる費用は、政府への手数料と行政書士への報酬の2つに分けられます。
政府手数料(2025年4月改定)
2025年4月の手数料改定により、ビザ申請にかかる政府手数料は以下のとおりです。
| 申請の種類 | 窓口申請 | オンライン申請 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 無料 | 海外から呼び寄せる場合 | |
| 在留資格変更許可申請 | 6,000円 | 5,500円 | 国内で在留資格を変更する場合 |
| 在留期間更新許可申請 | 6,000円 | 5,500円 | 在留期限の更新時 |
政府手数料自体は低額ですが、在留資格認定証明書の取得後に現地の日本大使館・総領事館でビザ(査証)を取得する際に別途手数料がかかる場合があります。
行政書士への報酬
ビザ申請を行政書士に依頼する場合の報酬相場は以下のとおりです。
| 申請の種類 | 行政書士報酬(相場) | 備考 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 10〜20万円 | 書類作成+申請代行 |
| 在留資格変更許可申請 | 10〜16.5万円 | 書類作成+申請代行 |
| 在留期間更新許可申請 | 3〜6万円 | 比較的簡易な手続き |
特定技能のビザ申請は提出書類が多く手続きが煩雑なため、行政書士に依頼する企業がほとんどです。初めての申請の場合は特に、入管業務に精通した行政書士への依頼をおすすめします。
登録支援機関の費用相場
登録支援機関とは、特定技能外国人の受入れ企業に代わって、法律で定められた「義務的支援」を実施する機関です。多くの企業がこの支援業務を登録支援機関に委託しています。
委託費用の業界相場
登録支援機関の委託費用は、初期費用と月額委託料に分かれます。
| 費用項目 | 業界相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 初期費用(契約時) | 8〜13万円 | 登録・セットアップ費用 |
| 月額支援委託費 | 平均 約2〜3万円/人 | 含まれる支援範囲は機関により異なる |
| 最多価格帯 | 20,000〜25,000円/人 | 最も多くの機関が設定する価格帯 |
月額委託料は機関によって差が大きく、15,000円〜50,000円以上まで幅があります。年間に換算すると1人あたり18万円〜60万円と大きな差になるため、慎重に比較検討することが重要です。
義務的支援10項目
登録支援機関が実施する義務的支援は、以下の10項目です。どの登録支援機関に委託しても、これらすべてに対応する必要があります。
- 事前ガイダンスの提供
- 出入国する際の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーションの実施
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(人員整理等の場合)
- 定期的な面談の実施・行政機関への通報
義務的支援の内容は法律で定められていますが、含まれるサービス範囲や費用体系は登録支援機関によって異なります。契約前に内訳を確認し、比較検討することが重要です。
個々の状況に応じた最低限の費用プランをご提供
TreeGlobalPartnersのグループでは、月次の支援料を月額9,800円(税抜)/人〜に設定。 義務的支援については、企業様の状況に応じたお見積りで最低限の費用プランをご提供しています。 人材紹介からビザ申請(行政書士法人Tree)、登録支援までワンストップ対応のため、複数の業者に依頼する手間とコストを削減できます。
費用プランを相談する渡航・来日にかかる費用
海外から特定技能外国人を採用する場合、渡航に関連する費用が発生します。国内在住者を採用する場合はこの項目は不要です。
渡航関連費用の内訳
| 費用項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 航空券(片道) | 5〜10万円 | 出発国・時期により変動 |
| 健康診断 | 5,000〜15,000円 | 現地での受診費用 |
| 技能試験受験料 | 分野により異なる | 各分野1,000〜8,000円程度 |
| 日本語試験受験料 | JFT-Basic: 10,000円 JLPT N4: 7,500円 | いずれか合格が必要 |
航空券は企業が負担するケースが一般的です。東南アジアからの場合、片道5〜10万円程度が目安です。LCCを活用すれば3〜5万円に抑えられる場合もあります。
なお、技能試験と日本語試験は外国人本人が受験・合格する必要があり、受験料は本人負担が原則です。ただし、企業が費用を補助するケースも増えています。
入社後に発生する費用
特定技能外国人が入社した後も、日本人社員と同様に社会保険料の企業負担が発生します。加えて、住居の準備や研修費用など、外国人特有の費用もあります。
社会保険の企業負担
特定技能外国人も日本人と同じ社会保険に加入する義務があります。企業側の負担割合は月給の約15〜24%です。
| 保険の種類 | 企業負担率 | 月給20万円の場合(目安) |
|---|---|---|
| 健康保険 | 約4.95% | 約9,900円 |
| 介護保険 | 約0.8%(40歳以上) | — |
| 厚生年金 | 約9.15% | 約18,300円 |
| 雇用保険 | 約0.9% | 約1,800円 |
| 労災保険 | 約0.3〜6.0%(業種別) | 約600〜12,000円 |
| 合計 | 約15〜24% | 約30,500〜48,100円 |
これは日本人を雇用する場合とまったく同じ負担であり、外国人だからといって追加の社会保険コストはかかりません。
住居について
特定技能外国人の住居確保の支援は受入れ企業の義務ですが、住居費用(家賃・敷金・礼金等)は本人負担が一般的です。企業は物件探しの支援や連帯保証人の提供を行いますが、費用自体を負担するケースは多くありません。
企業が社宅や寮を提供する場合でも、給与からの控除として本人負担とするのが通常です(厚生労働省のガイドラインに準拠した適正金額での控除が必要)。
研修・教育費用
入社後の研修として、業務マニュアルの翻訳(5〜10万円)、安全教育の実施、日本語研修などの費用が発生することがあります。生活オリエンテーションは登録支援機関の業務に含まれますが、業務上の研修は企業側で別途計画する必要があります。
初年度コストのシミュレーション
ここまで解説した各費用項目を合算し、3つの典型的な採用パターン別に初年度コストをシミュレーションします。
3パターンの初年度コスト比較
| 費用項目 | A. 海外新規採用 | B. 国内在住者採用 | C. 技能実習からの移行 |
|---|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 10〜20万円 | 10〜20万円 | 0〜5万円 |
| ビザ申請費用 | 10〜20万円 | 10〜16万円 | 5〜6万円 |
| 登録支援(初期+年間) | 20〜49万円 | 20〜49万円 | 20〜49万円 |
| 渡航費用 | 6〜12万円 | — | — |
| その他(翻訳・研修等) | 5〜7万円 | 3〜5万円 | 3万円 |
| 合計 | 51〜108万円 | 43〜90万円 | 28〜63万円 |
※ 住居費用(敷金・礼金・家賃等)は本人負担が一般的なため、企業コストの合計には含めていません。企業が住居を用意・負担する場合は別途25〜55万円が目安です。
日本人採用・技能実習との比較
特定技能外国人の採用コストを、他の採用手段と比較してみましょう。
| 採用手段 | 初年度コスト目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本人(人材紹介) | 75〜125万円 | 紹介手数料(年収の25〜35%)のみ。ただし人材確保が困難 |
| 技能実習(海外から) | 100〜150万円 | 監理団体費用+送り出し機関費用。業務範囲に制限あり |
| 特定技能(海外新規) | 51〜108万円 | 国内との差は渡航費のみ。住居は本人負担 |
| 特定技能(国内) | 43〜90万円 | 渡航費が不要で低コスト |
| 特定技能(実習移行) | 28〜63万円 | 最もコスト効率が良い。既存の実習生を活用 |
国内在住の外国人を特定技能として採用する場合や、自社の技能実習生を特定技能に移行する場合は、日本人の人材紹介よりも低コストで採用できるケースがあります。特に技能実習からの移行は、すでに自社の業務や文化に慣れた人材を継続雇用できるため、コストと定着率の両面で最も有利です。
採用コストを抑える5つの方法
特定技能外国人の採用コストを最適化するための、5つの具体的な方法を紹介します。
方法1:自社で直接募集する
人材紹介手数料が最も大きな費用項目であるため、自社で直接募集することで大幅なコスト削減が可能です。外国人向け求人サイト(無料〜数万円/月)やSNS、自社の外国人ネットワークを活用して募集する方法があります。
ただし、ビザ申請や支援計画の作成は専門知識が必要なため、人材の発掘は自社で行い、手続きは専門家に依頼するという分業も有効です。
方法2:ワンストップ対応の事業者を利用する
人材紹介、ビザ申請、登録支援をそれぞれ別の業者に依頼すると、各社のマージンが積み上がり、合計コストが膨らみがちです。採用からビザ申請・登録支援までワンストップで対応する事業者を選ぶことで、中間マージンを削減できます。
TreeGlobalPartnersでは、グループ内に行政書士法人Tree(入管業務専門)と登録支援機関を持ち、中間手数料を排除したリーズナブルな価格でワンストップ対応を実現しています。
方法3:コストパフォーマンスの高い登録支援機関を選ぶ
登録支援機関の費用は月額・初期費用・オプション費用の合計で大きな差が出るため、年間トータルコストで比較することが重要です。
TreeGlobalPartnersのグループでは、月次の支援料を月額9,800円(税抜)/人〜に設定し、義務的支援は個々の状況に応じたお見積りで最低限の費用プランをご提供しています。
方法4:技能実習生からの移行を活用する
自社で技能実習生を受け入れている場合、実習修了後に特定技能に移行することで、人材紹介手数料・渡航費用を大幅に節約できます。
技能実習2号を良好に修了した外国人は、同一分野であれば技能試験と日本語試験が免除されるため、試験関連の費用や時間的コストも削減できます。
方法5:助成金を活用する
外国人材の採用や就労環境の整備に活用できる助成金があります。主な助成金は以下のとおりです。
| 助成金名 | 支給額 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 人材確保等支援助成金 (外国人就労環境整備コース) | 1措置20万円・上限80万円 | 就労環境整備計画の策定・実施 |
| 人材開発支援助成金 | 最大50万円 | 職業訓練・研修の実施 |
| トライアル雇用助成金 | 月額4万円(最長3か月) | トライアル雇用の実施 |
特に人材確保等支援助成金は、外国人の就労環境整備に特化した助成金で、通訳費用や翻訳費用、社内マニュアルの多言語化などに活用できます。上限80万円は初年度の採用コストの一部をカバーするのに十分な金額です。
なお、キャリアアップ助成金は特定技能1号が対象外である点にご注意ください。詳細は厚生労働省のサイトで最新情報をご確認ください。
まとめ:費用を「見える化」して最適な採用戦略を
本記事のポイントをまとめます。
- 特定技能外国人の企業負担コストは、海外新規で約51〜108万円、国内で約43〜90万円、技能実習移行で約28〜63万円が目安(住居費は本人負担)
- 最も差がつくのは人材紹介手数料と登録支援機関の委託料
- 登録支援機関の月額支援委託費は平均約2〜3万円。含まれるサービス範囲は機関により異なるため、トータルコストで比較することが重要
- ワンストップ対応の事業者を利用すれば中間マージンを削減可能
- 技能実習からの移行や助成金の活用で、さらにコストを圧縮できる
費用の全体像を「見える化」し、自社に最適な採用ルートと依頼先を選ぶことが、コストを抑えつつ優秀な外国人材を確保するための第一歩です。
採用からビザ申請・登録支援まで、ワンストップで対応
TreeGlobalPartnersは、外国人有料職業紹介(許可番号 13-ユ-317879)と入管業務専門の行政書士法人Tree、 そして登録支援機関をグループ内に持つワンストップ体制。中間手数料を排除し、 グループ内の行政書士法人Treeが対応。 人材紹介からビザ取得、定着支援まで、グループ一体のワンストップ体制です。
無料で見積もりを依頼する※ 本記事は2026年3月時点の法令・制度・料金情報に基づいて執筆しています。 費用相場は市場状況により変動する場合があります。最新の情報は出入国在留管理庁および 厚生労働省の公式サイトをご確認ください。個別のケースについては専門家にご相談ください。