帝国データバンクの調査(2025年1月)によれば、ホテル・旅館業の約60%が正社員不足と回答しています。宿泊業・飲食サービス業の有効求人倍率は2.53倍と全産業平均(1.22倍)を大きく上回り、国内人材だけで採用ニーズを満たすのは難しい状況が続いています。
こうした背景から注目されているのが、特定技能「宿泊」による外国人スタッフの採用です。2025年6月末時点の宿泊分野の特定技能在留者数は1,282人で、5年間の受入れ見込数23,000人(出入国在留管理庁公表値)に対してまだ大きな余力があります。宿泊業が外国人採用に踏み出すなら、今が参入しやすいタイミングです。
この記事では、特定技能「宿泊」の業務区分・採用メリット・試験情報・受入れスケジュールを整理し、ホテル・旅館が外国人スタッフを採用するための具体的なステップを解説します。
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特定技能「宿泊」の業務区分と在留者数
特定技能「宿泊」では、ホテル・旅館の主要な業務を4つの区分でカバーしています。単純な清掃だけでなく、フロント対応や企画業務にも従事できるのが大きな特徴です。
| 業務区分 | 主な業務内容 |
|---|---|
| フロント業務 | チェックイン・チェックアウト、周辺の観光地案内、ツアー手配 等 |
| 企画・広報業務 | キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成、HP・SNSでの情報発信 等 |
| 接客業務 | 館内案内、宿泊客からの問い合わせ対応 等 |
| レストランサービス業務 | 注文対応、配膳・片付け、料理の下ごしらえ・盛りつけ 等 |
これら4区分に加え、清掃やベッドメイキングも付随業務として行えます。ただし、清掃業務のみに専従させることはできず、あくまで上記の主たる業務と合わせて従事させる必要があります。
2025年6月末時点(出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」令和7年6月末時点公表値)の宿泊分野の在留者数は1号が1,265人、2号が17人の合計1,282人です。5年間(2024〜2028年度)の受入れ見込数は23,000人に設定されており、受入枠に対する充足率はわずか約5.6%にとどまります。飲食料品製造業(84,892人)や介護(54,916人)と比べると規模は小さいものの、その分人材の競合が少なく、採用しやすい分野といえます。
宿泊業で特定技能外国人を採用する3つのメリット
1. インバウンド対応力の強化
外国人スタッフは母国語に加え、英語や日本語を使い分けられるケースが多く、多言語対応が求められるフロント業務や接客業務の即戦力になります。特定技能の取得にはJLPT N4以上の日本語能力が必要なため、日本語での基本的なコミュニケーションも問題ありません。
2. 幅広い業務に従事可能
特定技能「宿泊」は4つの業務区分にまたがって就労できるため、フロント・接客・レストランサービスを兼任する働き方が可能です。小規模な旅館など一人で複数の業務を担当する必要がある施設にも適しています。技能実習制度では対象外だった業務も含まれるため、即戦力として現場に配置しやすいのがメリットです。
3. 長期雇用への道が開けた(特定技能2号)
2023年8月から宿泊分野でも特定技能2号が取得可能になりました。2号を取得すると在留期間の上限がなくなり、家族帯同も認められます。1号の在留期間(通算5年)で経験を積んだスタッフが2号に移行すれば、長期にわたって施設のサービス品質を支えることができます。
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外国人採用の費用シミュレーションを依頼する採用条件と試験の取得ルート
特定技能「宿泊」を取得するルートは大きく2つあります。
ルート1: 技能試験 + 日本語試験に合格する
技能実習の経験がない場合は、宿泊業技能測定試験(1号評価試験)と日本語試験の両方に合格する必要があります。
| 試験 | 内容 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 技能試験(1号) | 筆記30問(3択)+ 実技6問(3択)、5カテゴリから出題 | 合格率 約64%(2024年実施分実績) |
| 日本語試験 | JLPT N4以上 または JFT-Basic A2以上 | CBT方式で随時受験可能 |
技能試験の5カテゴリは「フロント業務」「企画・広報業務」「接客業務」「レストランサービス業務」「宿泊業の安全衛生等の基礎知識」で構成されます。試験は国内・海外のプロメトリック試験会場でCBT方式により実施され、年間を通じて複数回の受験機会があります。
ルート2: 技能実習2号からの移行
宿泊分野の技能実習2号を良好に修了した方は、技能試験・日本語試験ともに免除で特定技能1号に移行できます。
| 移行パターン | 技能試験 | 日本語試験 |
|---|---|---|
| 宿泊の技能実習2号 → 特定技能「宿泊」 | 免除 | 免除 |
| 他分野の技能実習2号 → 特定技能「宿泊」 | 合格が必要 | 免除 |
| 試験ルート(実習経験なし) | 合格が必要 | N4以上 or JFT-Basic |
宿泊分野は2020年に技能実習2号の対象職種に追加されたため、移行ルートを利用できる人材は今後さらに増える見込みです。
受入企業側の要件
宿泊分野で特定技能外国人を受け入れるには、企業側にも以下の要件が求められます。
- 旅館業法に基づく営業許可を取得していること
- 宿泊分野特定技能協議会(観光庁所管)に加入すること(受入れ後4ヶ月以内)
- 外国人に対する報酬が日本人と同等以上であること
- 登録支援機関との委託契約、または自社で支援体制を構築すること
協議会への加入は無料です。建設分野のJACのように年会費や受入負担金は発生しないため、宿泊分野は比較的導入コストが低いといえます。
受入れまでのスケジュールと手続き
海外から人材を呼び寄せる場合と、すでに日本に在留している方の在留資格を変更する場合とでスケジュールが異なります。
| ステップ | 内容 | 海外からの呼び寄せ | 国内在住者の変更 |
|---|---|---|---|
| Step 1 | 人材選定・面接 | 2〜4週間 | 2〜4週間 |
| Step 2 | 雇用契約の締結 | 1〜2週間 | 1〜2週間 |
| Step 3 | 1号特定技能外国人支援計画の策定 | 1〜2週間 | 1〜2週間 |
| Step 4 | 在留資格認定証明書の交付申請 / 在留資格変更許可申請 | 1〜3ヶ月 | 2週間〜2ヶ月 |
| Step 5 | 査証(ビザ)発給・入国 / 資格変更後に就労開始 | 2〜4週間 | 即日〜 |
海外から呼び寄せる場合は、雇用開始の3〜5ヶ月前から準備を始めるのが現実的です。国内在住者の変更であれば2〜3ヶ月で就労開始が可能です。
支援計画には、事前ガイダンス・出入国時の送迎・住居確保の支援・生活オリエンテーション・日本語学習の機会提供・相談苦情対応・日本人との交流促進・転職支援・定期面談の実施が含まれます。これらの支援業務は、登録支援機関に委託するのが一般的です。
よくある質問(FAQ)
Q. 特定技能「宿泊」で外国人はどのような業務に従事できますか?
A. フロント業務(チェックイン・チェックアウト、観光案内等)、企画・広報業務(プラン立案、SNS運用等)、接客業務(館内案内、問い合わせ対応等)、レストランサービス業務(配膳、盛りつけ等)の4区分です。清掃やベッドメイキングも付随業務として行えますが、清掃のみに専従させることはできません。
Q. 宿泊分野の特定技能試験の難易度はどの程度ですか?
A. 1号評価試験の合格率は約64%(2024年実施分実績)です。筆記試験(選択式30問)と実技試験(選択式6問)で構成され、フロント・企画・接客・レストランサービス・安全衛生の5カテゴリから出題されます。日本語能力はJLPT N4以上またはJFT-Basic A2以上が必要です。
Q. 宿泊分野で特定技能2号は取得できますか?
A. 2023年8月から宿泊分野でも特定技能2号が取得可能になっています。受験申込時点で、複数の従業員を指導しながら試験日前日までに2年以上の実務経験を有していることが要件です(試験合格後に経験を積めばよいのではなく、受験前に要件を満たす必要があります)。2号を取得すると在留期間の上限がなくなり、家族帯同も認められます。ただし、2号試験の合格率は2024年3月の初回試験実績で約4%と難易度が高い点に留意してください(試験回ごとに変動する可能性があります)。
Q. 宿泊業で外国人を採用する場合、受入れまでにどのくらいの期間がかかりますか?
A. 海外から呼び寄せる場合は約3〜5ヶ月、国内在住者の在留資格変更の場合は約2〜3ヶ月が目安です。人材選定・雇用契約・支援計画策定・在留資格申請の各ステップを並行して進めることで全体期間を短縮できます。
まとめ
宿泊分野で特定技能外国人を採用する際のポイントを整理します。
- 業務区分はフロント・企画・広報・接客・レストランサービスの4区分。清掃やベッドメイキングも付随業務として対応可能
- 受入れ見込数23,000人(2024〜2028年度)に対し在留者数は1,282人。人材の競合が少なく、今が参入しやすい
- 2023年8月から特定技能2号も取得可能になり、長期雇用の道が開けた
- 協議会への加入は無料で、建設分野のような受入負担金も不要。導入コストが低い
- 海外からの呼び寄せは3〜5ヶ月、国内在住者の変更なら2〜3ヶ月で就労開始可能
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特定技能の受入れについて相談する(無料)※ 本記事の内容は2026年3月時点の入管法令に基づきます。制度・手数料は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。