特定技能は19分野へ|2024年・2026年の追加分野と受入準備

特定技能は2024年3月の4分野追加で16分野となり、2026年1月23日の3分野追加で現在は19分野です。新分野の受入要件、外食業分野の在留資格認定証明書交付停止措置、2027年4月施行の育成就労制度まで——受入企業・登録支援機関が今押さえるべき制度の最新動向と受入準備の実務を体系的に解説します。

特定技能の分野拡大|16分野から19分野への全体像

特定技能制度は2019年4月の入管法改正によって創設されて以来、深刻化する人手不足を背景に対象分野を段階的に拡大してきました。創設当初は14分野でスタートし、その後の統合・再編を経て12分野体制となり、さらに2024年3月29日の閣議決定によって自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が追加されて16分野となり、2026年1月23日の閣議決定でリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が追加されて19分野へと拡大しています。

特定技能1号は制度上19分野ですが、分野追加の決定と実際の受入れ開始は別です。リネンサプライでは2026年6月1日から在留資格申請が可能になりました。一方、物流倉庫は国土交通省の2026年9月時点の公表で技能評価試験の開始時期が未定、協議会も設置調整中です。新3分野を一括して「2027年から」と扱わず、採用する分野の試験・協議会・申請要件を個別に確認してください。 根拠:厚生労働省のリネンサプライ分野案内、国土交通省の物流倉庫分野案内。

▶ ポイント:数字よりも「自社の業務が対象か」が重要

受入企業にとって本当に重要なのは「全体で何分野あるか」ではなく、「自社の業務が特定技能の対象分野・業務区分に含まれるか」です。同じ業種でも従事させる業務によって対象・対象外が分かれるため、まずは自社の具体的な作業内容が、どの分野のどの業務区分に該当するかを精査することから始めてください。

分野拡大が進む背景

分野拡大の背景には、生産年齢人口の継続的な減少と、特定の業種における慢性的な人手不足があります。とりわけ物流・運送、地方の一次産業、インフラ維持に関わる業種では、国内の労働力だけでは事業継続が困難な水準に達しており、外国人材の受入れが事業存続の前提となりつつあります。政府は5年間の受入れ見込み数を分野ごとに設定し、その枠内で計画的に受入れを進める方針を採っています。

2024年4月に追加された4分野のポイント

2024年3月の閣議決定により、特定技能1号の対象として自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が新たに追加されました。これらは従来制度の対象外であった業種であり、業界として初めて特定技能による外国人受入れの道が開かれた点で大きな転換点となりました。以下に各分野の概要を整理します。

自動車運送業
鉄道
林業
木材産業
分野 主な業務区分 受入れ上の特徴・固有要件
自動車運送業 トラック運送、タクシー、バス トラック・タクシー・バスの区分ごとに、必要な運転免許、日本語能力、事業許可・安全管理体制等の要件が異なる。必ず分野別運用要領で確認が必要。
鉄道 軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員 など 安全に直結する業務が多く、技能・安全教育の水準が厳格。運輸係員区分では一定の日本語運用能力が重視される。
林業 育林、素材生産(伐採・搬出)等の林業作業 チェーンソー等の危険作業を伴うため安全教育・労働安全衛生対応が必須。山間部での就労環境整備も課題。
木材産業 製材、合板製造、木材加工 等 機械加工を伴う製造工程が中心。製造分野に近い技能評価が行われる。

これら4分野は、追加決定の後に分野別の運用要領・技能試験・協議会といった受入れインフラが順次整備され、2025年から2026年にかけて実務上の受入れが本格化してきました。新分野は試験の実施回数や受験地がまだ限られているケースもあるため、受入れを検討する企業は試験スケジュールと協議会加入手続きを早期に確認する必要があります。

注意:自動車運送業は区分ごとに要件が大きく異なる

自動車運送業はトラック・タクシー・バスの区分ごとに、必要な運転免許、日本語能力、事業許可・安全管理体制などの要件が異なります。単に「ドライバーとして雇える」と理解せず、自社が必要とする区分の固有要件を業所管省庁の運用要領で精査してください。免許取得支援を含めた受入れ設計が前提になります。

支援費用は、行政書士法人Treeの現行料金・サービス内容に沿って確認します。月額9,800円(税抜)の基本支援と、義務的支援10項目のオプション見積もりは区別してください。自社で実施する支援と委託する支援を整理し、必要な支援がすべて実施できる契約内容を確認してから依頼できます。

2024年追加4分野の受入準備と実務のポイント

追加分野は決定から受入れ本格化まで一定のタイムラグがあります。技能試験・日本語試験の整備、業所管省庁による運用要領の公表、分野別協議会の立ち上げといった段階を経て、はじめて実際の受入れが可能になるためです。2026年は、2024年に追加された分野で試験・運用の整備が進み、受入れが軌道に乗っていく重要な時期にあたります。

受入れ開始までの一般的な流れ

1
分野追加の閣議決定・運用要領の公表

対象業務区分・固有要件・受入れ見込み数が示される。ここで自社業務が対象かを確認する。

2
分野別協議会の設置・加入受付開始

受入企業は原則として分野別協議会への加入が必要。加入時期の要件(受入れ前か後か)を確認する。

3
技能試験・日本語試験の実施

国内外で試験が実施され、合格者が在留資格申請の要件を満たす。試験回数・受験地はまだ限られる場合がある。

4
在留資格申請・受入れ開始

雇用契約締結・支援計画作成のうえ申請。許可を得て就労開始。ビザ手続きは行政書士法人Treeが担当。

新分野ならではの留意点

▶ 国内在留人材の採用で確認すること

TGPは、すでに日本国内に在留する外国人材の紹介を対象としています。留学生・技能実習修了者・特定技能の転職希望者であっても、現在の在留資格と採用分野の技能・日本語要件を満たすか確認が必要です。分野追加だけを理由に、そのまま新分野で働けるわけではありません。在留資格申請は行政書士法人Treeが担当し、許可後の就労開始を前提に採用日程を組みます。

外食業分野の「受入れ上限到達」による交付停止措置に注意

分野拡大と並んで受入企業が必ず押さえておくべきなのが、分野別の受入れ見込数(上限)への到達による在留資格認定証明書交付申請等の取扱いです。特定技能は分野ごとに5年間の受入れ見込数が設定され、これを1号特定技能外国人の受入れ上限として運用することとされています。上限に達した場合の取扱いは、分野や申請類型ごとに公式情報で確認する必要があります。

2026年9月10日公表の審査状況では、外食業内での転職に伴う特定技能1号からの変更申請はすべての申請が通常審査の対象です。医療・福祉施設給食製造作業の技能実習と、外食業に係る特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更は8月31日までの受付分、それ以外の変更は4月12日までの受付分が対象です。それ以外の変更の4月13日以降受理分は原則不許可です。在留期間更新は通常どおり審査されています。採用時は現在の在留資格・作業内容・申請受付日を確認します。 入管の最新審査状況をご確認ください。

重要:人気分野は「枠が埋まる前の早期申請」が鉄則

外食業など申請が集中しやすい分野では、受入れ見込数の上限到達により、在留資格認定証明書交付申請の不交付などの措置が講じられる可能性があります。受入れを予定している場合は、申請時点での当該分野の取扱いを必ず確認し、内定・採用が固まり次第すみやかに準備を進めることが重要です。様子見をしているうちに上限に達する、という事態を避けてください。

申請停止に直面したときの選択肢

こうした受入れ枠の状況は流動的で、最新の公表情報を継続的に追う必要があります。TGPでは各分野の受付状況・受入れ動向をモニタリングし、申請の最適なタイミングを受入企業にご案内しています。

分野追加で受入企業が確認すべき要件チェック

分野が追加・拡大しても、受入企業に求められる基本的な義務の枠組みは共通しています。一方で、分野ごとに上乗せされる「分野固有基準」は多岐にわたるため、受入れ前のチェックが欠かせません。ここでは新分野・既存分野を問わず確認すべき要件を整理します。

CHECK 01
対象業務区分の該当性

自社で従事させる業務が、当該分野の対象業務区分に正確に含まれるかを運用要領で確認する。

CHECK 02
分野別協議会への加入

多くの分野で協議会加入が義務。加入のタイミング(受入れ前/後)と手続き要件を確認する。

CHECK 03
試験・経歴要件の充足

本人が技能試験・日本語試験合格、または該当する技能実習修了等の経歴要件を満たすか確認する。

CHECK 04
許認可・安全体制

運送業の許可、安全衛生教育、必要な免許・資格など分野固有の上乗せ要件を整備する。

受入企業に共通して求められる基本義務

分野を問わず、特定技能1号の受入れにあたっては次のような基準・義務を満たす必要があります。これらが欠けると申請が不許可になったり、受入れ後に指導の対象になったりします。

▶ 支援は登録支援機関への委託で確実に

1号特定技能外国人支援計画の実施は、自社で行うことも、登録支援機関へ委託することも可能です。事前ガイダンス・生活オリエンテーション・定期面談・各種同行支援など実務負担は小さくありません。グループ内の行政書士法人Treeが登録支援機関として、新分野を含む受入れ後の支援を継続的に代行し、受入企業の管理負担を軽減します。

2027年4月施行・育成就労制度との関係

分野拡大とあわせて理解しておきたいのが、技能実習制度に代わる新制度「育成就労制度」です。2024年に関連法が成立し、2027年4月1日の施行が予定されています。育成就労は、これまで国際貢献を建前としてきた技能実習制度を抜本的に見直し、「人材確保」と「人材育成」を明確な目的に据えた点が大きな特徴です。

育成就労と特定技能の接続

育成就労制度は、原則として3年間で特定技能1号の水準まで人材を育成し、特定技能へ円滑につなげることを設計思想としています。つまり、これまで「技能実習 → 特定技能1号 → 特定技能2号」と呼ばれてきたキャリアの流れが、2027年4月の育成就労施行後は「育成就労 → 特定技能1号 → 特定技能2号」という形に再構成されていくことになります。育成就労の対象分野は、原則として特定技能の対象分野と整合させる方向で整理が進められています。

項目 技能実習(現行) 育成就労(2027年4月1日施行)
制度の目的 国際貢献・技能移転(建前) 人材確保および人材育成
育成期間の考え方 職種により最長5年 原則3年で特定技能1号水準へ
転籍 原則不可(限定的) 一定要件下で本人意向の転籍を容認
特定技能との接続 修了後に移行可 特定技能への接続を前提に設計

受入企業が今から備えるべきこと

育成就労制度は2027年4月1日施行です。本人意向による転籍は同一の業務区分内に限られ、技能・日本語能力、分野ごとの1年以上2年以下の転籍制限期間を超えていること、転籍先が優良な育成就労実施者であること等の要件があります。さらに「民間の職業紹介事業者による職業紹介等を受けていないこと」が条件です。特定技能の転職と、育成就労中の本人意向転籍を混同しないでください。 入管の育成就労Q&A(Q48・Q50)に要件が掲載されています。TGPが育成就労中の本人意向転籍を有料で紹介できるという案内ではありません。

注意:移行期は制度が並走する

育成就労の施行後も一定の経過措置が想定され、技能実習・育成就労・特定技能が並走する移行期が生じます。在留中の人材がどの制度に基づくのか、どの要件が適用されるのかを取り違えないよう、最新の運用と経過措置を確認しながら受入れを進める必要があります。詳細はビザ手続きを担当する行政書士法人Treeにご確認ください。

建設・JAC経由など分野固有ルールの落とし穴

建設現場の建設業務は、一般の有料職業紹介事業の取扱対象外です。TreeGlobalPartnersは建設業務への有料職業紹介を行いません。自社募集やJACの無料職業紹介など適法な採用方法を検討してください。JACへの加入等の受入れ要件と、JACから人材の紹介を受けるかどうかは別の論点です。登録支援・在留資格申請は行政書士法人Treeが担当します。 厚生労働省:建設業務の有料職業紹介の取扱いをご確認ください。

重要:建設分野は有料職業紹介の対象外です

建設現場の建設業務は、一般の有料職業紹介事業の取扱対象外です。TreeGlobalPartnersは建設業務への有料職業紹介を行いません。自社募集やJACの無料職業紹介など適法な採用方法を検討してください。JACへの加入等の受入れ要件と、JACから人材の紹介を受けるかどうかは別の論点です。登録支援・在留資格申請は行政書士法人Treeが担当します。

分野固有ルールの代表例

このように、同じ「特定技能」でも分野によって受入れの入口・雇用形態・上乗せ要件が大きく異なります。「他分野で受け入れた経験があるから大丈夫」と考えず、新たに受け入れる分野ごとにルールを一から確認することが、トラブル回避の基本です。

▶ 役割の整理:人材紹介はTGP、登録支援・在留資格申請は行政書士法人Tree

TreeGlobalPartnersは外国人専門の有料職業紹介を担い、登録支援および在留資格・ビザに関する申請手続きはグループ内の行政書士法人Treeが担当します。役割を明確に分けたワンストップ体制により、紹介から支援、在留資格申請までを切れ目なくご支援します(建設分野の人材紹介はJAC経由のご案内となります)。

分野拡大を採用戦略にどう活かすか

分野拡大は、これまで外国人材の受入れができなかった業種にとって大きなチャンスである一方、人気分野の枠争奪が激化することも意味します。分野拡大という制度の追い風を自社の採用戦略に活かすには、次のような視点が有効です。

早期に動いた企業が有利になる構造

受入れ見込み数という上限がある以上、外食業の例が示すように「枠が埋まる前に動いた企業」が有利になります。新分野・人気分野ともに、採用方針を早期に固め、試験スケジュール・協議会加入・申請のリードタイムを逆算して動くことが、安定的な人材確保の鍵となります。

2号移行・長期定着を前提とした設計

育成就労制度の導入により、外国人材の転籍がしやすくなる方向にあります。これからの採用は「採って終わり」ではなく、特定技能2号への移行も視野に入れた長期キャリアパスの提示が、人材の獲得・定着の決め手になります。給与モデル・評価制度・住環境・キャリア面談など、選ばれる職場づくりの巧拙が、そのまま採用競争力に直結します。

▶ TreeGlobalPartnersの提供価値

TreeGlobalPartnersは新分野を含む外国人材の紹介(中間手数料なしのリーズナブルな料金体系)を担い、グループ内の行政書士法人Treeが登録支援機関としての受入れ後支援と在留資格申請を担当する、一気通貫の体制でご提供します。分野拡大という制度変化を、自社の採用力強化につなげるためのパートナーとしてご活用ください。

よくある質問

特定技能の対象分野は現在いくつありますか?
特定技能1号は制度上19分野ですが、分野追加の決定と実際の受入れ開始は別です。リネンサプライでは2026年6月1日から在留資格申請が可能になりました。一方、物流倉庫は国土交通省の2026年9月時点の公表で技能評価試験の開始時期が未定、協議会も設置調整中です。新3分野を一括して「2027年から」と扱わず、採用する分野の試験・協議会・申請要件を個別に確認してください。
外食業分野の受入れが停止すると聞きましたが本当ですか?
2026年9月10日公表の審査状況では、外食業内での転職に伴う特定技能1号からの変更申請はすべての申請が通常審査の対象です。医療・福祉施設給食製造作業の技能実習と、外食業に係る特定活動(特定技能1号移行準備)からの変更は8月31日までの受付分、それ以外の変更は4月12日までの受付分が対象です。それ以外の変更の4月13日以降受理分は原則不許可です。在留期間更新は通常どおり審査されています。採用時は現在の在留資格・作業内容・申請受付日を確認します。
新しく追加された分野で外国人を受け入れるには何が必要ですか?
分野別の技能・日本語要件と、協議会加入、安全教育、許認可などの分野固有要件を確認します。自動車運送業はトラック・タクシー・バスで必要な免許や日本語水準が異なるため、すべての区分に第二種運転免許が必要という理解は正しくありません。TGPは国内在留人材の紹介を担い、在留資格申請は行政書士法人Treeが担当します。
2027年施行予定の育成就労制度とは何ですか?特定技能とどう違いますか?
育成就労制度は2027年4月1日施行です。本人意向による転籍は同一の業務区分内に限られ、技能・日本語能力、分野ごとの1年以上2年以下の転籍制限期間を超えていること、転籍先が優良な育成就労実施者であること等の要件があります。さらに「民間の職業紹介事業者による職業紹介等を受けていないこと」が条件です。特定技能の転職と、育成就労中の本人意向転籍を混同しないでください。
建設分野の人材は人材紹介会社から紹介してもらえますか?
建設現場の建設業務は、一般の有料職業紹介事業の取扱対象外です。TreeGlobalPartnersは建設業務への有料職業紹介を行いません。自社募集やJACの無料職業紹介など適法な採用方法を検討してください。JACへの加入等の受入れ要件と、JACから人材の紹介を受けるかどうかは別の論点です。登録支援・在留資格申請は行政書士法人Treeが担当します。

まとめ

特定技能制度は2024年3月の4分野追加により16分野へ拡大し、2026年1月23日の閣議決定でリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が追加されて19分野へと正式に拡大しました。本記事で解説した受入企業・登録支援機関が押さえるべきポイントを改めて整理します。

制度は流動的で、分野数・受入れ枠・運用要領は今後も更新されます。重要なのは、最新情報を継続的に追いながら、採用・受入れの計画を早期かつ柔軟に組み立てることです。自社が受け入れたい分野の対象該当性や受付状況、要件の確認でお困りの際は、TreeGlobalPartnersまでお気軽にご相談ください。人材のご紹介から、グループ内の行政書士法人Treeによる登録支援・ビザ手続きまでをワンストップでご支援します。

本記事の情報は2026年6月時点の出入国在留管理庁および各業所管省庁の公開情報に基づいて構成しています。特定技能の対象分野・業務区分・受入れ見込み数(上限)・各分野の運用要領、および育成就労制度の施行内容は、今後の制度改正・運用更新により変更される場合があります。特定技能の対象分野は2026年1月23日の閣議決定により19分野となっていますが、リネンサプライでは2026年6月1日に在留資格申請が可能となり、物流倉庫などは試験・協議会の整備状況を個別に確認する必要があります。最新情報は出入国在留管理庁の公式情報をご確認のうえ、ビザ申請・在留資格に関する個別案件はグループ連携先の行政書士法人Treeまでお問い合わせください。建設分野の特定技能人材については有料職業紹介によるあっせんはできず、JAC経由のご案内となります。