育成就労制度とは?2027年施行で変わる外国人採用の仕組みを解説

2027年4月1日、外国人材の受入れ構造が約30年ぶり(1993年施行から34年)に大きく変わります。1993年から続いてきた技能実習制度が廃止され、新たに育成就労制度が始まるのです。2024年6月に改正入管法・育成就労法が公布され、2025年9月の閣議決定で施行日が確定しました(出入国在留管理庁)。

現在技能実習生を受け入れている企業も、特定技能制度の活用を検討している企業も、この制度変更の内容を把握しておくことは不可欠です。本記事では、育成就労制度の概要・技能実習制度との違い・特定技能との関係・施行スケジュール・企業が今すべき準備について整理します。

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育成就労制度とは

育成就労制度は、「日本の人手不足分野における人材育成と人材確保」を目的として新設される外国人材受入れ制度です。外国人が原則3年間日本で就労しながら技能を習得し、特定技能1号水準の人材として育成されることを目指します。

根拠法は「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」(改正入管法)および「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(育成就労法)であり、いずれも2024年6月21日に公布されています。

制度の目的:技能実習との根本的な違い

技能実習制度は「国際貢献・技能移転」を建前として設計されていましたが、実態として人手不足を補う労働力として機能する側面があり、人権問題(失踪・不当労働等)も指摘されてきました。育成就労制度はこの問題点を踏まえ、人材育成を正面に据えた制度として設計されています。

技能実習制度との違い

育成就労制度と技能実習制度の主要な相違点を比較表でまとめます。

比較項目 技能実習制度(現行) 育成就労制度(2027年〜)
制度目的 国際貢献・技能移転 人材育成・人材確保(国内人手不足対応)
在留期間 最長5年(1号〜3号) 原則3年以内(特定技能1号への移行想定)
転籍(転職) 原則禁止(やむを得ない事情のみ可) 一定要件を満たせば本人意向による転籍可
日本語能力要件 入国時の要件なし(分野による) 入国前にN5相当(A1レベル)以上が必要
監理・支援機関 監理団体(任意型・許可型) 監理支援機関(許可制に統合・強化)
特定技能への移行 2号修了者は試験免除 修了後に特定技能1号への移行を想定

転籍要件の詳細

育成就労制度の大きな特徴が、本人意向による転籍(転職)の容認です。ただし、無条件ではなく、以下の3要件を全て満たす必要があります。

  • 同一の受入れ機関での就労期間が1年以上であること
  • 技能評価試験(基礎級相当)と日本語能力試験(N5相当・A1レベル以上)に合格していること
  • 転籍先の受入れ機関が一定の適正要件を満たしていること

この転籍制限は、受入れ機関が費用・時間をかけて育成した外国人が短期間で転籍することへの懸念に配慮しつつ、外国人が劣悪な環境に縛り付けられることを防ぐためのバランスとして設けられています。

特定技能との関係:移行のキャリアパス

育成就労制度は、特定技能制度への「人材供給パイプライン」として設計されています。育成就労で日本語能力と技能を身につけた外国人が、修了後に特定技能1号へ移行するというキャリアパスが制度の中核です。

1

育成就労(原則3年以内)

入国前にN5相当の日本語能力を習得。就労しながら技能を磨く。同一機関での1年経過後は転籍可。

2

技能評価試験・日本語試験への合格

育成就労修了時に技能評価試験(3級相当)またはものづくり特定技能1号評価試験と、N4相当(A2レベル)以上の日本語試験に合格する。

3

特定技能1号への移行

試験合格後に在留資格を特定技能1号へ変更。通算5年まで在留でき、2号対象分野では更にキャリアアップも可能。

現行の技能実習2号修了者が試験免除で特定技能1号に移行できる仕組みと同様に、育成就労を修了して一定要件を満たした外国人も特定技能1号に移行できます。この制度設計により、「3年間の育成就労 → 最長5年の特定技能1号」という最大8年間の在留が可能になります(分野によっては特定技能2号への移行でさらに継続)。

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施行スケジュールと移行期間

施行日は2027年4月1日(2025年9月26日閣議決定・9月30日官報公布)。施行後は激変緩和措置として約3年間の移行期間が設けられます。

2024年6月 — 法律公布

改正入管法・育成就労法が国会で成立・公布。

2025年9月 — 施行日決定

関係省令等が公布。施行日が2027年4月1日に正式確定。

2027年4月1日 — 育成就労制度施行

技能実習制度の新規受入れが停止。育成就労制度がスタート。既存の技能実習生は移行期間中は現行制度のまま継続可。

2030年頃(目安) — 移行期間終了

技能実習制度の完全廃止。全外国人材が育成就労制度または特定技能制度に移行完了。

移行期間中(約3年)は技能実習と育成就労が並存します。既存の技能実習生は、在留期間の満了まで現行の技能実習制度の下で在留を継続できます。

受入れ要件と日本語能力

育成就労制度の受入れ要件は、2026年4月現在、省令・告示で整備中の部分も残っていますが、法律レベルで確定している主要事項は以下のとおりです。

外国人本人の要件

  • 日本語能力:入国前にN5相当(A1レベル)以上の試験合格が必要(技能実習との大きな違い)
  • 年齢:18歳以上(技能実習と同様)
  • 健康要件:就労に支障のない健康状態であること

受入れ機関(企業側)の要件

  • 育成就労産業分野(特定技能の対象16分野と概ね同様になる見込み)に該当する事業を営んでいること
  • 就業規則・雇用契約が適切であること(最低賃金以上の賃金等)
  • 監理支援機関(新設)への委託が原則必要
  • 日本語学習支援の体制を確保すること

詳細な分野別要件・受入れ上限・監理支援機関の申請方法等は、2027年施行に向けて出入国在留管理庁から順次公表される予定です。

企業が今すべき準備

2027年の施行まで残り約1年。「まだ先の話」と思う企業も多いかもしれませんが、受入れ体制の整備には相応の準備期間が必要です。今から着手すべき3つのポイントを整理します。

準備①:現在の受入れ状況を整理する

技能実習生を現在受け入れている企業は、各外国人の在留資格の満了時期・技能水準・日本語能力を確認します。2027年以降の更新・継続採用をどの制度(育成就労 or 特定技能)で進めるかのシナリオを描いておきましょう。

準備②:日本語教育・支援体制を強化する

育成就労では入国前からN5相当の日本語能力が求められ、特定技能1号移行にはN4相当が必要になります。自社内または外部の日本語学習プログラムをどう用意するかを検討し始めることが重要です。

準備③:監理支援機関・行政書士との連携を検討する

現在の技能実習制度で監理団体を活用している企業は、その団体が育成就労に対応した「監理支援機関」として許可を受けるかどうかを確認します。新制度への対応状況を早期に確認し、必要に応じて委託先を見直しましょう。ビザ申請や在留資格変更については、入管業務専門の行政書士法人への相談を検討してください。

よくある質問

Q. 育成就労制度と特定技能制度は別の制度ですか?

はい、別の在留資格です。育成就労は「育成就労」という新しい在留資格、特定技能は現行の「特定技能1号・2号」という在留資格です。育成就労は特定技能1号への移行を前提としたステップとして設計されていますが、移行は自動的ではなく、試験合格などの要件を満たした上で在留資格変更申請が必要です。

Q. 育成就労でも特定技能と同じ対象分野ですか?

育成就労の対象分野(育成就労産業分野)は、特定技能の対象16分野と概ね同様の分野になる見通しです。ただし、分野ごとの詳細な業務区分・作業内容については2027年施行に向けて主務省令で整備される予定のため、最新の情報をご確認ください。

Q. 育成就労の受入れは何人まで可能ですか?

分野別の受入れ上限については、特定技能制度と同様に分野ごとに設けられる予定ですが、詳細はまだ確定していません。技能実習制度では常勤職員数に基づく上限がありましたが、育成就労での扱いは省令等で定められます。

Q. 技能実習生が2027年以降に在留期間を更新する場合はどうなりますか?

移行期間中(2030年頃まで)は、既存の技能実習生は現行制度のまま在留を継続できます。移行期間終了後に在留期間が残っている場合の扱いについては、詳細な経過措置が設けられる予定です。技能実習2号を修了している方は、要件を満たせば現行と同様に特定技能1号への変更が可能です。

Q. 育成就労の受入れに向けて今すぐ行動すべきことはありますか?

今すぐできることとして、①現在の受入れ状況の棚卸し、②監理団体・現地エージェントへの今後の対応方針確認、③行政書士など専門家との情報収集が挙げられます。一方で、制度の詳細はまだ整備中の部分も多いため、出入国在留管理庁の公式発表を随時確認することが重要です。

まとめ

育成就労制度は、2027年4月1日施行という確定したスケジュールのもと、外国人材受入れの枠組みを根本から変える制度です。技能実習制度の問題点(転籍禁止・国際貢献という名の労働力化)を解消し、人材育成と定着を正面に据えた設計になっています。

特定技能制度との最大の連携ポイントは、「育成就労 → 特定技能1号」というキャリアパスが制度設計上明確に位置づけられたことです。これにより、3年間かけて育成した外国人材を特定技能1号として継続雇用する道が制度的に整理されました。

2027年の施行まで時間的な余裕があるように見えますが、受入れ体制の整備・日本語教育の仕組み作り・委託先の選定には時間がかかります。現在すでに特定技能制度や技能実習制度を活用している企業は、今から移行シナリオを描いておくことをお勧めします。

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※ 本記事の内容は2026年4月時点の情報に基づきます。育成就労制度の詳細(分野別要件・監理支援機関の申請要件等)は2027年施行に向けて関係省令等で整備される予定であり、今後変更される可能性があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。
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