特定技能「自動車整備」で受け入れた外国人社員に、整備工場で長く活躍してもらうためには「3級自動車整備士」の国家資格取得を視野に入れたキャリア設計が欠かせません。特定技能1号の在留期間は通算5年が上限ですが、その間に国家資格を取得することで、現場での裁量・処遇・定着率のすべてが大きく変わります。
本記事では、整備工場の経営者・人事担当者の方向けに、自動車整備士国家資格(1級・2級・3級)の制度概要、特定技能評価試験との対応関係、3級取得までの実務的なルート、受入企業ができる支援、活用可能な助成金までを実務目線で解説します。
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自動車整備士資格制度の概要(1級〜3級)
自動車整備士は道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第55条と自動車整備士技能検定規則(昭和26年運輸省令第55号)に基づく国家資格です。1級・2級・3級・特殊整備士の4区分があり、上位ほど扱える車両・作業範囲が広がります。試験は学科と実技で構成され、学科は国土交通省(地方運輸局)が実施、実技は一般社団法人日本自動車整備振興会連合会(日整連/JASPA)が実施する登録試験に合格することで免除を受けるのが実務上の標準ルートです。
登録試験は年2回(第1期:4〜9月/第2期:10〜翌3月)のサイクルで全国の都道府県整備振興会を会場として実施されており、整備技術講習も同じく年2回開講されます。働きながら受験できるよう、平日昼間に加えて平日夜間(週2〜3日)や日曜昼間のコースが整備振興会で開設されている点も、特定技能社員の取得計画と相性が良い特徴です。
| 区分 | 主な内容 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 1級(小型自動車整備士) | 高度な整備・診断・指導 | 整備リーダー・管理職候補 |
| 2級(ガソリン・ジーゼル・自動車シャシ・二輪) | 分解整備全般、認証・指定工場の主任に | 現場の中核技術者 |
| 3級(ガソリン・ジーゼル・シャシ・二輪) | 一定範囲の分解整備、基本作業 | 一般整備士(実務の入口) |
| 特殊整備士(電気装置・車体・タイヤ) | 専門分野の整備 | 専門領域のスペシャリスト |
外国人社員のキャリアの起点となるのは3級自動車整備士です。3級を起点に、実務経験を積みながら2級・1級へとステップアップしていく流れが標準的なキャリアパスとなります。
特定技能評価試験と国家資格の対応関係
特定技能1号「自動車整備」で求められる技能水準は、制度上3級自動車整備士相当と整理されています。これは「3級レベルの基本的な整備作業を理解し、安全に作業できる」ことを意味しますが、特定技能評価試験の合格=3級自動車整備士の取得ではない点に注意が必要です。
2つの試験の違い
| 項目 | 自動車整備分野特定技能評価試験 | 3級自動車整備士 技能検定 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 入管法・分野別運用方針 | 道路運送車両法 |
| 実施主体 | 分野所管省庁(国土交通省)が指定する試験実施機関 | 国(学科)/日本自動車整備振興会連合会(実技・登録試験) |
| 位置づけ | 在留資格取得の要件 | 分解整備等を行う際の国家資格 |
| 合格後の効果 | 特定技能1号への移行が可能 | 3級自動車整備士として登録 |
つまり特定技能評価試験は「在留資格の入口」、3級自動車整備士は「整備の現場で名乗れる国家資格」という関係です。両者は併存しうるもので、特定技能で就労しながら3級を取得するルートが、外国人材の戦力化として最も合理的です。
3級取得が現場で意味すること
3級自動車整備士は「一般整備士」とも呼ばれ、整備工場での実務において以下の意義があります。
- 分解整備(特定整備)の一定範囲を担える — エンジン・ブレーキ・走行装置等の基本的な分解整備作業
- 認証工場・指定工場の人員要件の充足に寄与 — 2級保有者と組み合わせて工場運営の体制を整えられる
- 無資格作業のリスクを排除 — 道路運送車両法上、分解整備の作業範囲が法令上明確化されている
- 2級受験の前提 — 3級取得後の実務経験により2級受験資格が得られる
無資格の見習い扱いと比べて、3級保有者は配置できる業務範囲が大きく広がります。整備工場としての生産性、ひいては整備工賃の請求根拠にも直結する重要な国家資格です。
特定技能社員が3級を目指すルート
特定技能1号で就労しながら3級自動車整備士を取得するには、おおむね次のステップを踏みます。
- 特定技能評価試験に合格・在留資格を取得して入国・就労開始
- 受入企業の認証工場・指定工場で実務経験を積む(学歴不問の一般ルートで6か月以上、令和7年改正後)
- 3級自動車整備士技能検定の受験申込(学科+実技、または登録試験経由)
- 学科試験・実技試験に合格し、3級自動車整備士として登録
令和7年改正により実務経験要件が短縮されたため、入国から6か月〜1年で3級取得、3年目で2級受験、5年目までに特定技能2号移行を目指すスケジュールが現実的になりました。技能実習「自動車整備」を良好に修了して特定技能に移行した場合は、技能実習期間中の実務経験も整備の認証工場であれば算入の可能性があり、配属歴・職務内容の証跡を必ず保管してください。
受入企業による取得支援の方法
外国人社員の3級取得を後押しするために、受入企業ができる支援は多岐にわたります。義務的支援の範囲を超えて取り組むことで、定着率と現場戦力化の双方が改善します。
| 支援内容 | 具体例 | 効果 |
|---|---|---|
| 実務経験の証明 | 業務日報・配属歴の整備、就業証明書の発行 | 受験資格の充足を担保 |
| 教材費・受験料の負担 | テキスト・問題集・受験料の会社負担 | 経済的ハードルを下げる |
| 社内勉強会 | 2級・1級有資格者による週次レクチャー | 暗黙知の共有・現場直結 |
| OJT指導 | 計画的な作業ローテーションで全分野を経験 | 実技対策に直結 |
| 試験日の配慮 | 有給扱い・前日休暇 | 万全のコンディションで受験 |
| 日本語学習支援 | 整備用語・標語の社内辞書、オンライン教材 | 学科試験対策に効果大 |
特に整備分野は専門用語の壁が高いため、日本語学習と整備用語の習得を同時並行で進める社内体制が成功の鍵となります。
受験資格と実務経験の数え方
3級自動車整備士の受験に必要な実務経験は、令和7年7月8日公布の自動車整備士技能検定規則改正により短縮されました。改正前は学歴不問で1年以上の実務経験が必要でしたが、改正後は学歴に応じて以下のとおりとなっています。受入企業はこの新しい基準に沿って取得計画を組むことができます。
| 学歴・養成課程 | 改正前 | 改正後(現行) |
|---|---|---|
| 自動車関係学科(高校・高専・大学)卒業 | 実務経験不要 | 実務経験不要 |
| 機械関係学科(高校・高専・大学)卒業 | 6か月以上 | 3か月以上 |
| 上記以外(学歴を問わない一般ルート) | 1年以上 | 6か月以上 |
| 指定養成施設(自動車整備士養成課程)修了 | 所定課程修了で実技免除 | 所定課程修了で実技免除 |
特定技能1号で来日した社員の多くは「学歴不問の一般ルート」に該当するため、就労開始から6か月で3級受験資格が得られる計算になります。これは旧制度より半年早いタイミングであり、入国1年目の早い段階で資格化に到達できる現実的なスケジュールです。
ただし実務経験として認められるのは道路運送車両法第78条に基づく認証工場・指定工場に所属している期間に限られます。特定技能の受入機関は同法上の認証工場・指定工場であることが分野別運用要領で要求されているため、この点は通常クリアされますが、外注先や系列子会社へ出向させている場合は要注意です。
実務経験として認められる業務
- エンジン・動力伝達装置・走行装置の点検・整備
- ブレーキ・かじ取り装置等の安全装置の整備
- 分解整備(特定整備)に伴う補助作業
- 定期点検・車検整備の補助
単なる清掃・洗車・部品運搬のみの業務は実務経験に含まれにくいため、業務日報や作業指示書で「整備作業に従事した」事実が証明できる運用が必要です。受入企業側で配属管理を丁寧に行うことが、後の受験時に効いてきます。
試験対策と教材の選び方
3級自動車整備士の試験は学科試験と実技試験で構成されます。実技は登録試験(修了試問)合格や指定養成施設修了で免除される場合があります。
学科試験対策
- 過去問題集の反復 — 自動車整備士教科書・問題集(公益社団法人日本自動車整備振興会連合会発行)
- 整備用語の日本語化 — 母語と日本語の整備用語対照表を社内で作成
- 図解中心の教材 — 文章理解が難しい場合、図と写真中心の教材から導入
実技試験対策
- OJTでの基本作業反復 — 工具の名称・使い方を確実に身につける
- 整備振興会の講習会受講 — 各都道府県の自動車整備振興会が実施する養成課程・講習会の活用
- 模擬試験形式の社内訓練 — 制限時間内に作業を完了させる訓練
取得後の昇給・職務拡大
3級取得後は処遇と職務範囲の両面で具体的な変化が生まれます。明確な昇給ルールを社内で示すことが、取得意欲とモチベーションを高めます。
| 項目 | 無資格 | 3級取得後 | 2級取得後 |
|---|---|---|---|
| 資格手当の目安 | — | 月額5,000〜15,000円 | 月額15,000〜30,000円 |
| 担当できる作業 | 清掃・補助業務中心 | 分解整備の一定範囲 | 分解整備全般・主任業務 |
| 役職可能性 | — | サブリーダー | 工場主任・チーフ |
| 顧客対応 | 限定的 | 説明補助 | 整備内容の説明者として |
※ 金額・範囲は一例であり、企業の規模・地域・賃金体系により異なります。
2級・1級への進路設計
3級取得後は2級、さらに1級へとステップアップが可能です。2級は認証工場・指定工場の整備主任者となり得る重要な資格で、整備士キャリアの主要な到達点といえます。
2級受験までの目安
- 3級取得後、実務経験3年以上で2級の受験資格
- 指定養成施設の2級課程を修了することで実技免除等の優遇
- 2級ガソリン・2級ジーゼルそれぞれの取得で対応車両が拡大
特定技能1号の在留期間中(5年)に2級まで到達できれば、受入企業にとってかけがえのない戦力となります。特定技能2号「自動車整備」は令和6年7月16日から評価試験が開始されており、2級自動車整備士の合格者は特定技能2号の技能要件をそのまま満たすため、別途の特定技能2号評価試験を受験することなく在留資格を切り替えられます。これにより在留期間の上限撤廃・家族帯同・将来的な永住申請の途が開かれ、整備工場にとっては中核技術者として長期定着が見込める意義の大きい資格となります。
2級ルートを取らない場合でも、道路運送車両法第78条に基づく認証工場で3年以上の実務経験を積んだうえで特定技能2号評価試験(学科・実技、CBT方式・JASPA実施)に合格すれば、特定技能2号への移行が可能です。受入企業は本人と相談のうえ、2級ルートと実務経験ルートのいずれを優先するか、5年計画として早期に整理しておくと効果的です。
取得支援に使える助成金
外国人社員の資格取得・スキルアップを企業が支援する場合、厚生労働省の人材開発支援助成金などを活用できる可能性があります。
| 制度 | 対象 | 概要 |
|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 | OFF-JT・OJTを組み合わせた職業訓練 | 訓練経費・賃金の一部を助成。中小企業は助成率が高めに設定 |
| キャリアアップ助成金 | 有期→無期転換、処遇改善 | 正社員化や賃金規定改定で助成 |
| 業務改善助成金 | 事業場内最低賃金引上げ+設備投資 | 最低賃金引上げを伴う取組への助成 |
このほか、外国人特有の労務環境整備に直接活用できるものとして「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」もあります。多言語マニュアル整備・通訳の配置・苦情相談体制整備など、職場環境改善に取り組んだ事業主への助成制度です。
助成金は要件・支給率・申請期限が頻繁に改定されるため、検討時には必ず厚生労働省・各都道府県労働局の公式情報を確認してください。助成金申請の代行・計画届の作成・支給申請書の作成提出代行は社会保険労務士の独占業務(社会保険労務士法2条1項1号〜1号の3)に該当します。当社では制度情報のご案内のみ行い、申請手続そのものは提携の社会保険労務士をご紹介します。行政書士・登録支援機関は、助成金申請手続の代理・書類作成を行うことはできません。
海外の整備資格と日本の国家資格の関係
特定技能社員のなかには、母国や第三国で整備関連の資格・経験を持つ人材も少なくありません。これらの資格は日本の国家整備士資格に直接読み替えられるものではありませんが、学習・実技の素養として有利に働きます。
| 制度 | 主な内容 | 日本の国家資格との関係 |
|---|---|---|
| 米国 ASE(National Institute for Automotive Service Excellence) | 米国の民間自動車整備士認定制度。A1〜A9等の分野別認定 | 互換性なし。学科の基礎理解として参考になる |
| EU 自動車整備マイスター制度 | ドイツ等のマイスター(Kfz-Meister)など国別職業資格 | 互換性なし。実技スキルの裏付けとして評価可能 |
| ベトナム・フィリピン等の国家技能検定 | 各国労働省・職業訓練庁が認定する整備系資格 | 特定技能評価試験の前提とはならないが、技能実習からの移行・読み替えに材料となる場合あり |
| 技能実習「自動車整備」良好修了 | 技能実習2号良好修了で特定技能1号の技能・日本語試験免除 | 3級受験時の実務経験算入の可否は配属先・職務内容で個別判断 |
受入企業としては、海外資格の有無を採用選考段階で把握しておくと、入社後の配属計画やOJT設計を効率化できます。特に技能実習「自動車整備」を良好に修了し特定技能1号へ移行した社員は、技能実習期間中の実務経験が3級受験要件にカウントされ得るため、技能実習修了証書・配属歴の保管が重要です。
5年間のキャリアプランモデル
特定技能1号「自動車整備」の在留期間(通算5年)を最大活用する、具体的なキャリアプランの一例を示します。受入企業の規模・体制により調整しますが、おおむね下記のスケジュールを基本形として運用すると、本人の成長と企業戦力化が両立します。
| 期間 | 就業内容 | 資格・到達目標 |
|---|---|---|
| 0〜6か月 | OJT中心、基本工具・点検作業の習得、整備用語の日本語化 | 3級受験資格を満たす(実務経験6か月) |
| 7〜12か月 | 分解整備の補助、車検整備の補助、登録試験の受験 | 3級自動車整備士 取得・資格手当支給開始 |
| 13〜24か月 | 分解整備の主担当に拡大、後輩のサポート | 2級受験準備(学科) |
| 25〜36か月 | 2級登録試験合格、技能検定合格 | 2級自動車整備士 取得・特定技能2号への移行候補 |
| 37〜60か月 | 整備主任者業務、新人指導、車検検査の補助 | 特定技能2号評価試験合格・在留資格切替 |
このプランは「3級→2級→特定技能2号」の段階的ステップアップにより、本人の処遇改善と長期定着、企業側の安定戦力化を同時に実現するモデルです。社内でこのキャリアパスを文書化・共有しておくことが、外国人社員の退職抑止・他社流出防止にも直結します。
受入企業が陥りやすい失敗事例
特定技能社員の3級取得支援に取り組む企業のうち、計画通り進まないケースには共通の落とし穴があります。代表的な失敗パターンと対策を整理します。
失敗1:洗車・部品出し中心の配属で実務経験がカウントされない
「まずは下働きから」という配属で半年〜1年経過してしまうと、実務経験として認められる作業が不足し、受験できても合格に必要な実技理解が育ちません。配属計画段階で「3か月以内に分解整備の補助に入る」など、明確なローテーション計画を組み込むことが重要です。
失敗2:日本語学習を本人任せにする
整備の技術は身につくが、学科試験の日本語問題が解けないという事例は非常に多いです。整備用語の漢字(点火栓・燃料噴射装置・触媒・冷却液など)は日常生活で接する機会が少ないため、社内で整備用語辞書を作成し、週次の語学時間を設ける等の体系的な支援が必要です。
失敗3:取得しても処遇に反映されない
3級を取得しても給与・職務範囲が変わらなければ、本人のモチベーションは失われ、他社(より高い資格手当を支給する整備工場)への転職リスクが高まります。就業規則・賃金規程に資格手当を明記し、取得と同時に運用することが定着の決定要因です。
失敗4:助成金を自社で申請しようとして手戻りが発生
人材開発支援助成金は事前の訓練計画届出が必須で、手続を誤ると不支給となります。社会保険労務士に早期に相談し、計画策定段階から専門家に関与してもらうことで、申請成功率と助成額が大きく変わります。
よくある質問
Q. 特定技能評価試験の合格は3級自動車整備士と同じ資格になりますか?
A. 同じ資格ではありません。特定技能1号「自動車整備」の技能水準は3級相当に設定されていますが、これはレベル感の目安であり国家資格そのものではありません。3級自動車整備士は道路運送車両法に基づく国家資格で、別途、技能検定(または登録試験)への合格が必要です。
Q. 3級自動車整備士の受験に必要な実務経験は?
A. 学歴や養成課程の状況により異なります。令和7年7月8日公布の規則改正で要件が短縮され、自動車関係学科卒は実務経験不要、機械関係学科卒は3か月、それ以外(学歴不問の一般ルート)は6か月です(改正前は1年)。実務経験は道路運送車両法に基づく認証工場・指定工場での就労に限られ、特定技能の受入機関はこれを満たすため、入社後6か月で受験資格に到達できます。
Q. 受入企業として、外国人社員の3級取得をどう支援できますか?
A. 実務経験の証明書発行、教材費・受験料の負担、社内勉強会の開催、有資格者によるOJT指導、試験日の有給対応など、多面的な支援が可能です。日本自動車整備振興会連合会や各都道府県の整備振興会の講習会も活用できます。
Q. 3級取得後の給与アップはどの程度が目安ですか?
A. 企業により異なりますが、資格手当として月額5,000円〜15,000円程度が一般的な目安です。2級取得時にはさらに10,000円〜20,000円程度の上乗せもあり、基本給や役職手当でも処遇改善につながります。
Q. 助成金は使えますか?
A. 厚生労働省の「人材開発支援助成金」が代表的です。OJT・OFF-JTを組み合わせた訓練計画を策定し要件を満たすことで、訓練経費や賃金の一部が助成されます。最新の要件・助成率は厚生労働省・各都道府県労働局の公式情報をご確認ください。
まとめ
特定技能「自動車整備」と3級自動車整備士は別の制度ですが、両者を組み合わせることで外国人社員の戦力化と定着の双方が大きく前進します。特定技能評価試験は「在留資格の入口」、3級自動車整備士は「現場で名乗れる国家資格」という位置づけを正確に理解することが、人事設計の起点となります。
令和7年7月の規則改正で3級の実務経験要件が学歴不問ルートで1年→6か月に短縮されたことを踏まえ、入国半年〜1年目で3級取得、3年目で2級受験、5年目までに特定技能2号への移行というキャリアプランは、整備工場にとっても本人にとっても合理的です。受入企業による実務経験証明・教材費負担・社内勉強会・OJT指導など、義務的支援を超えた多面的な取り組みが、取得率と定着率を押し上げます。
2級自動車整備士の合格者は特定技能2号「自動車整備」の技能要件を満たすため、在留期間上限の撤廃・家族帯同に直結します。受入企業は5年計画の早期段階で2級ルートを設計しておくことが、中核技術者としての長期定着の決定要因となります。
処遇面では、3級取得で月額5,000〜15,000円、2級取得でさらに上乗せといった明確な昇給ルールを提示することが、本人のモチベーションと長期雇用に直結します。資格取得支援には人材開発支援助成金などの活用も視野に入ります。
採用から在留資格取得、登録支援機関としての定着支援、3級取得を見据えたキャリア設計まで、TreeGlobalPartnersとグループ内の行政書士法人Treeが整備工場の人事戦略を一体でサポートします。
※ 本記事は2026年5月時点の法令・制度に基づいて執筆しています。最新情報は国土交通省および日本自動車整備振興会連合会(JASPA)の公式情報をご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言を構成するものではありません。助成金の申請代行・書類作成は社会保険労務士業務にあたります。具体的な採用計画・助成金活用については各専門家にご相談ください。